のっちゃんの攻城手記−一乗谷城


第五回の今回は「一乗谷城」を紹介します。

一乗谷城は、越前(今の福井県)の中央部に位置し、越前の守護大名として 初代孝景から5代(約100年間)に渡り繁栄を誇った朝倉氏の居城です。
一乗谷城は、いざと言うときに立てこもるために一乗山に築かれた詰め城と、城主が普段生活していた朝倉館、 武家屋敷、町屋で成り立っています。
厳密に言えば一乗谷城は、詰め城のみなのでしょうが、一般的には町全体を指しているようです。
繁栄を誇った一乗谷ですが、天正元年(1573年)に織田信長の越前侵攻の際に町全体が消失し廃墟となります。

昭和42年から順次発掘調査が行われ、現在では城主が普段生活していた朝倉館と庭園、武家屋敷、 町屋が見事に復元されています。
詰め城は朝倉館の背後の一乗山の頂上部に曲輪の跡などが残りますが、こちらの訪問はマニア向けで、 時間と準備が必要になります。(急峻な山城で往復3時間はかかるらしい。)
詰めの城さえ行かなければ、特別な準備はなく手軽に歴史に触れることの出来る場所です。


【越前一乗谷城紹介】
一乗谷は、現在の福井市街地の東南約10kmの所にあり、足羽川の支流である一乗谷川に沿って 足羽川合流点から幅約500m、上流に向けて約3kmの細長い平野部にあります。
川の両側は急峻な山が連なり、川の上流部と下流部には城戸が設けられなかなかの要害です。
両城戸とも土塁が残っており、特に下流部の下城戸は巨石を配置した石垣や虎口を見ることが出来ます。
川の東側には朝倉館と庭園が、西側には武家屋敷や町屋などの町並が見事に復原されていて、 当時繁栄を誇った城下町の姿を偲ぶことが出来ます。

詰めの城は居館背後の一乗城山(標高473m)の頂上部に築かれており、居館背後から登城道が伸びています。
本丸のほか、二の丸、二の丸、など、いくつもの曲輪が尾根づたいに築かれており 空濠・堀切・堅堀の遺構も残っているそうです。

一乗谷は4代目孝景の頃に最盛期を迎え、当時戦乱に巻き込まれていた京都から文化人・公家衆らが 戦乱を避けて下向してきたため、小京都とも呼ばれる賑わいをみせていました。
当時の一乗谷の人口は約1万人と推定されるとか。
5代目義景は後の室町15代将軍義秋(義昭)を庇護するまでになります。
しかし、義景には上洛する意図はなく、足利義秋は織田信長を頼ります。
織田家はその後急成長をとげ、天正元年(1573年)に織田信長により朝倉氏は滅亡。
一乗谷城も落城し、一乗谷の町も焼かれて廃墟となります。
繁栄を誇った町並みはそのまま田畑の土の下に埋もれて歴史から姿を消してします。
その後約400年経過し、昭和42年から開始された発掘調査にて再び姿を現し、平成の復元工事により 当時の町並が忠実に再現されました。


【攻城手記】
福井県にドライブした際にふらっと訪れてみた。
実は今回が2回目の訪問。(前回は途中から天候が悪くなったため、途中で挫折。)

福井市街地から国道158号線を大野方面に向い、JR越美北線一乗谷駅付近で県道18号線に入ると ほどなく下城戸あとに到着。
両側が急峻な山に囲まれた、のどかな里と言った感じがする。
ここには駐車場がなく、すぐ脇が民家なので迷惑にならないよう車を止めて急いで見学。 (案内板の後ろが、土塁の跡ですね。)





車で、朝倉館へ向かいます。
その道の両側には、発掘された町屋の跡が見事に整備されています。
きちんと区画整理がなされており、道路、井戸、側溝のあとがはっきり分かります。



ほどなく、復元された町屋の跡に到着。
ここには、無料駐車場と売店が併設されています。
復元された町屋は南北200mにわたって、発掘された建物礎石や塀の石垣、道路 などを元に当時の建物と町並が復元されています。
ここの一角だけは有料なのですが、入場料金は210円なので一度ごらんになることをお勧めします。
当時の生活様式がまざまざと実感出来ます。



ここに車を止めたまま、道路と川を渡って、朝倉館へ向かいます。
館正面には桃山様式の唐門があり、これは豊臣秀吉が 朝倉義景の善提を弔うために寄進したものと伝えられているそうです。



中にはいると、まずその広さに圧倒されます。
写真上部が入り口(西門)になります。
中心部が城主が普段の生活を行っていた場所で17棟の建物が並んでいたそうです。
その周辺部には花壇や庭園、主殿、会所、茶室など表向(接客)施設など多種多様な施設が並んでいたそうで、 中でも花壇は日本最古と言われているとのこと。
また、ここには5代朝倉義景公の墓所も有り、お花と線香が手向けられていました。



ここから、一段高い一乗山の斜面に沿って、中の御殿・諏訪館等の館が建てられています。
特に、諏訪館の庭園は、朝倉五代当主義景が4人目の側室「小少将」のために造ったと伝えられる 庭園で特別名勝に指定されているそうです。
確かに、年月は経過しているものの、当時の雅さが伝わる庭園。
(ちなみに、この庭園は400年以上ほとんど手が付けられておらず、まさに当時そのままの庭石で  復元されているとのことです。)



【まとめ】
普段のお城攻めとはちょっと趣が違ったが、それでも当時の生活がまざまざと思い浮かべることが出来て 歴史好きの私には非常に面白かった。
また、管理事務所横にあるそば屋さん(お店の名前忘れた;;)の越前そばも美味しく頂きました。
一乗谷朝倉氏遺跡資料館がR越美北線一乗谷駅駅の近くにあるので、あわせて見学することをお勧めします。



【メモ】
・交通アクセス
所在地: 福井県福井市城戸ノ内町
鉄 道: JR越美北線一乗谷駅〜徒歩約20分
(平成16年7月の集中豪雨による被害により、一部区間ではバスによる代行運行 がなされているいようですので、鉄道をご利用の際は必ず事前にご確認をお願いします。)
車  : 北陸自動車道福井IC〜国道158号線を大野方面へ(約10分)
駐車場: 一乗谷朝倉氏遺跡の無料駐車場利用

・近くの見所
 一乗谷朝倉氏遺跡資料館
   入館料 大人100円・中学生以下無料
 復元町並み・武家屋敷施設
   入場料 大人210円(15歳未満は無料)
 一乗滝
   剣豪佐々木小次郎が修行行い、燕返しを編みだした場所とか。


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Text & Photo by Y.No


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